ふすま・障子の貼り替えアドバイス!種類と選び方のポイント。
毎日過ごしている住宅の中で、リフォームというほど大掛かりな工事は必要ないけれど気になるということのひとつがふすまや障子の貼り替え。剥がれてきたり破けていたり、色が黄ばんできている状態が気になりはじめたら貼り替えのタイミングです。
そこで今回は、ふすまや障子の貼り替えタイミングや、新しく貼り替える場合の紙の選び方、貼り替えるメリットとその際の注意点についてご紹介します。
古くなったふすまや障子の替え時とは?
ふすまや障子は、日当たりの程度や時間、使用頻度、湿気などご家庭それぞれの環境によって劣化のスピードが異なります。基本的には見映えが悪くなってきたら貼り替え時と考えていいでしょう。次のような状態が目立ってきたら、貼り替えを検討してみてください。
・色あせてきた
・たるみやしわが発生している
・茶色や黄色のしみが目立ってきた
・カビが生えている
毎日過ごしている場所だと劣化に気づきにくい場合がありますし、色あせなどがないように見えても紙そのものは経年劣化してきていますから、新築または前回の貼り替えから10年前後経っていれば貼り替えましょう。
その他、法事や新年を迎える前など、来客が多い時をきっかけとして貼り替えるのもひとつの方法です。
ふすまや障子の種類と選び方のポイント
ふすまや障子を貼り替えると決めると、次に悩むのはどういった紙を選ぶのがいいかということですね。前回から10年前後経過していると、ふすまや障子のある部屋の用途や好みが変化していることがほとんどですから、現在のライフスタイルや好みに合わせて選ぶのがおすすめです。
ふすまの場合、部屋を和のテイストにしたいか、洋の要素も取り入れたモダンなテイストにしたいかによって、選ぶ紙が変わります。和のテイストがよければ、伝統的な無地や和柄の紙がいいですし、モダンテイストがよければ幾何学模様や植物などが大胆に描かれた柄の紙を選ぶとおしゃれです。
機能性を重視したい場合は、樹脂フィルムが施された汚れ防止のタイプがいいでしょう。汚れがしみこみにくく、表面に浮いた状態になるのでさっと取れやすいです。室内でペットを飼っているなら、表面強度にすぐれた素材の紙を選びましょう。犬や猫が爪で引っかいても破れにくく、おしっこがかかっても拭きとりが楽にできます。
その他、火災時に有毒ガスを発生させない防炎タイプの紙もあります。
障子の場合は、光の透過具合によって雰囲気が大きく変わりますので、紙の表面の質感を重視しましょう。無地タイプは入ってくる光が均一ですっきりしていますし、繊維を紙の表面にランダムに散らした雲竜タイプは光がやわらかく入り、高級感があります。
一般的な普及紙以外に、普及紙よりも厚みがある特厚紙は破れにくいので小さな子どもがいる場合はおすすめです。普及紙よりも強度が約5倍ある強化紙や10倍以上ある段熱紙などは断熱や吸音の効果が高いため、長時間過ごす部屋に採用するといいでしょう。
ふすまや障子の貼り替えによるメリット
ふすまや障子を張り替えると、手軽に室内の雰囲気を大きく変えられます。畳を替えたり壁紙の貼り替えをするとなると、家具を移動したり完成まで数日かかったりして手間がかかりますね。対してふすまや障子を替える際は、本体を外して紙を貼り替え敷居にはめ戻すだけですから、家具の移動などをすることなく室内の雰囲気を変えられます。
光が入りやすくなって明るくなるのもうれしいですね。
また、紙そのものが新しくなるため、和紙の持つ調湿機能や防音機能、断熱機能などによって室内環境も快適になります。紙が劣化するとこうした機能が落ちてくるため、貼り替えによってこれらの機能が上がることで室内の空気がすっきりしますし、夏涼しく冬暖かいという状態で過ごせるようになります。
ふすまや障子を貼り替えるにあたって気をつけるべきポイントとは?
ふすまや障子を貼り替える場合は、自分で行う方法と業者に依頼する方法の2つがあります。
自分で行う場合は、アイロンを使って貼るタイプや裏面にのりがついたタイプなど貼りやすいタイプの紙を選ぶようにしましょう。また、慣れていない人でも貼り替えしやすいように、貼り替えグッズを組み合わせたキットを使うのもいいでしょう。
業者に依頼する場合は、まず無料見積をしてもらって内容をよく確認しましょう。「一式」などざっくりと書いてあると詳細が分かりにくいので、見積されている作業内容を事前にしっかり確認しておくことが大切です。また、さまざまな紙の種類があるため、希望に合わせて適した紙を提案してくれるか、単に貼り替えるだけではなく室内全体のバランスを見て提案してくれるかといった点もチェックするといいでしょう。
ふすまや障子は普段あまり意識していないかもしれませんが、紙を貼り替えるだけで室内の雰囲気ががらりと変わります。部屋の用途やライフスタイル、機能などへのこだわりと予算とのバランスを見て、納得のいく紙をえらんでくださいね。