畳の表替え・新調で古くなった畳をキレイにリフレッシュ!
日本の住宅には馴染み深い畳。伝統的な和室に使われるだけでなく、モダンな雰囲気の和室にも欠かせないものです。自然素材ならではの特徴として使うほどに味が出てくる一方で、そのまま使っていると傷みが激しくなったり、い草の香りが落ちたりしてきます。
そんな時に検討したいのが、畳の表替えや新調です。ただし、表替えと新調の違いや適切な時期などについては迷うことも多いでしょう。
今回は、畳の劣化を確認するポイントやメンテナンスの目安、表替えと新調の違いなど、畳のよさを味わい続けるためのポイントを紹介します。
畳の劣化を確認するポイント
畳の劣化は少しずつ進行するため、毎日過ごしていると意外に分からないものです。客観的に観察してみて、次のような状態が表れていれば畳の劣化が進んでおり、表替えや新調を検討する時期と考えましょう。
畳表にささくれが目立つ
新しい畳は目が詰まっていますが、長年使っていて劣化が進むと摩擦によるささくれが目立ってきます。ささくれが増えると目と目の間にすき間ができて、湿気を含みやすくなります。また、逆に目と目の間に風が吹き込みやすくなって乾燥しやすくなり、触感も落ちてきます。ささくれが増えると足に刺さりやすくなり、お年寄りや小さい子供がいる家庭では特に使いづらくなるでしょう。
畳が沈む
畳の上を歩くと足が沈むような感覚がある場合は、畳表だけでなく畳そのものの劣化がかなり進行しています。畳床まで傷んでいる可能性が高く、快適性もかなり低下しているはずです。
日焼けがひどい
日当たりがいい部屋で畳を使用していると、日焼けは進行しやすくなります。家具を置いている場所とそうでな場所とで日焼けによる色あせの差は大きくなります。日焼けする箇所は日光によるダメージを受けますから、色あせだけでなく目が粗くなったり湿気やすくなったりすることも多いです。
畳にカビが生えている
逆に日当たりが悪い部屋で畳を使用していると、湿気がたまりやすいため畳にカビが生えることは珍しくありません。畳にはもともと空気中の湿度に合わせて湿気を吸ったり吐いたりする調湿作用がありますが、劣化してくると調湿の力が低下して湿気が中にたまりやすくなり、カビが生えます。
畳のメンテナンス時期の目安
特に問題なく畳を使っていたとして、メンテナンスは10年前後を目安に定期的に行っていくのが理想的です。15年程度使える場合も少なくありませんが、メンテナンスを検討する時期としては10年前後がおすすめです。
ただし、部屋の環境や使用頻度、畳の素材などさまざまな条件によって畳の劣化の進み具合は左右されますから、10年というのはあくまでも目安と考えておきましょう。
畳の表替えとは?新調とは?
畳のメンテナンスの方法は「裏返し」「表替え」「新調」という3種類に分けられます。
裏返しは、畳表を外して畳本体を裏返し、表になった面に畳表を付け替える方法です。3つの方法の中ではもっとも安価なメンテナンスですが、一度しか行えません。
表替えは、畳表だけを取り替える方法です。畳の芯材の状態が良好で畳表の部分だけが傷んでいる場合に行います。
新調は、畳そのものを丸ごと取り替える方法です。10年以上使い続けて、へたりや傷みがひどい場合に行います。
畳のメンテナンスをするにあたって考慮しておくべきポイント
そろそろ畳をメンテナンスしようと考え始めたら、考慮しておきたいポイントがあります。
まずは畳の素材に合わせたメンテナンスを行うということです。畳というとい草を使っているというイメージがありますが、最近は和紙やポリプロピレンなど様々な素材を使ったタイプも増えてきました。い草が天然素材なのに対してポリプロピレンは人工素材と違う素材ですから、メンテナンスの方法も当然異なります。定期的な陰干しが必要か、洗剤を使った掃除が可能かなど素材に合わせたメンテナンスを行うことで、より長く美しく使うことができるでしょう。
次に考慮したいのは、畳業者の選び方です。畳についての専門知識を持っていることはもちろん、畳のメンテナンス実績が多いことは重要なポイントでしょう。また、表替えや新調を行う場合は、ただ前と同じような畳に差し替えるのではなく、色や畳縁のデザインなどについても提案してくれる業者がおすすめです。
座ったり寝転んだりとリラックスする空間に導入することが多い畳は、肌に触れる機会が多いだけに清潔で調湿作用もしっかりした状態で使いたいもの。常に快適な状態で使い続けるためにも、上手にメンテナンスを進めていきましょう。