商品部ハードライン統括グループ 統括グループ長 商品部ワークウェアショップ統括グループ 統括グループ長
キャリアステップ
商品1部 部長
高尾 昭徳

戦略的に考え実行することで、仕事が劇的に楽しくなった。

入社 1年目~ 奈良店に配属

キャリアステップの原点となった奈良店。

入社後、研修期間を含め、奈良店で5年近く勤務しました。前半は工具や水道機器、後半は園芸部門を担当しましたが、思いがけず3年目で部門長に抜擢され、園芸部門の最前線に立つことになりました。私を含め全員が一生懸命に自分たちの役割を果たしてもなかなか成果に結びつかず、焦っていた頃に、店長から部門別採算制に対する考え方を教えられました。部門別採算制というのは簡単に言うと「いかに部門の売上を最大化させ、経費を最少にして利益を出せるか」ということです。部門長を始め全スタッフが経営者感覚で日々の業務に意識的に取り組み、担当部門単体でいかに利益を上げられるか。残念ながら奈良店の園芸部門は赤字だという現実を店長から突きつけられ、ただ頑張るだけでは店舗経営に貢献できないんだ、ということを痛感しました。
いま振り返ると、この奈良店での経験がその後の私のキャリアステップの原点をかたち作ったと言えると思います。部門を経営する立場で「ヒト・モノ・カネ」の運用、管理を担うことを身をもって知ったのが奈良店だったからです。与えられた資源をいかに有効活用して部門の経営を戦略的に考えるか。「忙しい、人が足りない、だから人を増やしてください」と短絡的に考えるのではなく「人をどう動かせば個々のパフォーマンスを最大化させることができるか」と発想を転換し問題を解決する。このことを学んだのが奈良店でした。戦略的に考え実行するようになって仕事が楽しくなったのを覚えています。

入社 5年目~ 本社 商品部へ異動

自社ブランド工具「漆黒」を創る。

当時、商品部は東西に分かれて活動していました。私が商品部に異動して半年後、千葉県に統合され現在に至っています。新人バイヤーとして初めて本格的に担当したのは工具でした。バイヤーの仕事はある意味で極めてシンプルで、お客様のニーズに適合した商品を買って品揃えすれば、ある程度のヒットは見込めるわけです。工具の主なユーザーは職人さん、つまりその道のプロフェッショナルで、大抵の方が工具に対するこだわりをお持ちです。ところが当時のホームセンターではそうしたプロユースの工具の品揃えは少なく、プライベートブランド(PB)を手掛ける同業他社にしても一般ユーザー向けが主流で、価格も比較的安価に設定されており、職人さんのこだわりやニーズを反映した商品とは言い難いものばかりでした。
そういう背景があり、当社では私が中心となって職人さん向けのプロユースの工具を意識した品揃えを考え始めたのです。バイヤーは直訳すれば「買う人」です。しかし、もし仮に買うべきものが市場になかったらどうするか。自分たちが作るしかありません。そこで生まれたのがロイヤルホームセンターのPB商品であるプロ向け工具「漆黒」です。メーカーと協力したオリジナルブランドで、プロの期待に応えられるこだわりの商品を揃えました。価格は少し高めだったのですが、狙いがあたって非常によく売れ、いまでは工具部門の人気商品になっています。「お客様のニーズに適合する商品が市場になければ自分たちが作ればいい」というバイヤーの醍醐味、仕事の面白さを学ぶことができ、大きく成長できたことを実感した出来事です。

入社 12年目~ グループ長に就任

「いいバイヤー」の条件とは。

チーフバイヤーを経て入社12年目にハードグループのバイヤーを束ねるグループ長に就任することになりました。部下は10名。ハードラインというのは工具・金物・塗料・園芸・資材・作業服といったカテゴリーを扱っています。バイヤーとして仕事をこなす一方で、部下を育て、率いる立場になったわけです。グループ長は約2年。比較的短期間でしたが現在に通じる貴重な経験ができました。
私自身のバイヤーとしての経験を踏まえて部下に助言することも多く、自分なりの「いいバイヤーとは何か」を定義することができたように思います。担当部門の売上に貢献するというのは大前提。上司の指示どおり忠実に行動するのではなく自分の指針でアクションが起こせて、メーカーなどとの商取引において自分を見失わないバランス感覚がある人。1年後の担当部門の売場を戦略的にイメージできて、いま何をすべきか考え、行動できる人。これが私の考える「いいバイヤー」です。

入社 15年目~ ハードライン統括グループ長(現:商品1部 部長)に就任

ロイヤルホームセンターを変革し、業界上位を目指す。

2年間グループ長を務めた後、ハードラインのバイヤー業務全ての責任者である統括グループ長(現:商品1部 部長)に就任しました。仕事の領域が広がると同時に責任もさらに重くなり、当社全体の行く末に考えを巡らすことも少なくありません。バイヤーであれば担当部門の1年後を想定すればいいと述べましたが、統括グループ長の場合5~6年後に部門全体の売場をどうしたいのかをイメージし、戦略を考える必要があります。
業績を向上させ、店舗展開の拡大、ひいては業界でのロイヤルホームセンターのランクをアップさせるには、会社の仕組みを今よりもっとよいものに変えていく必要があると考えています。競合他社が進化し続けている中、現状維持だと劣化をもたらすだけです。現在の責務を全うしながら組織に刺激を与え、自分を成長させる。それが会社の成長に繋がれば幸せですし、ホームセンター業界に“高尾あり”と広く知られるようになれば、とても嬉しいですね。

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